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2006年5月27日 (土)

ヨーロッパの旅・5

5・・ベネチア(ベニス)

 ローマからフィレンツェへ移動した私達は、美術館を観たり街中や公園を散歩したり、それぞれ別行動をとっていた。私と時子も、フラフラと歩き時計台の下で人々を眺めカフェで一息ついた。
 ベニスへ行ったのは二日目だった。その時も他の仲間達と一緒に行動した。又、電車での日帰りコースだ。ベニスは終着駅である。今度は降り損ねる心配もない。水に浮かぶ街「ベニス」・・・電車はゆっくりと動き出した。
 街のどこにいても潮の香りが漂う。チャプンチャプンとアドリア海の波が小さく音をたてる。白い建物は太陽に照らされ更に浮かび上がる。水路ではいくつもの船が動いている。車のない街並は、見ているだけで心を落ち着かせる。店のガラス越しに並ぶベネチアングラスは、そんな街並に溶け込み一層輝いて見えた。
Nnn_0194 時間が過ぎるのはあっという間だった。駅に着いた頃は駅前の建物に夕日が反射していた。電車の発射時刻にはまだ30分以上あったが、私達はベニスの景色を自分自身の瞳に十分焼付け、改札を入ることにした。
 電車のホームは一番奥だった。ゆっくりと改札を通る。一番最初に私と時子と他に三人が通った。
「あ!電車もうきてるよ!」
 ホームまでの距離はかなりある。時子を含む四人は、急に私の横から走り出した。
「走らなくたって、まーだ30分あるんだよ~~!」
 そんな私の声はすでに彼女達に届かなかった。この地の印象が予想以上に良かったのだろう・・・皆小さな子供のようにはしゃいでいた。そして四人は、あっというまにその電車に乗りこんでっしまった。
 私は何度も行き先を確認する癖がある。すでに四人が乗り込んでいるというのに、その電車もついつい確認してしまった。・・・私はわが目を疑った!!もう一度確認した。
「違うじゃないか~~!!」
 他の仲間達はまだ改札付近をウロウロと歩いている。四人の乗った電車は、間もなく発車の別の電車だ!!
 私はホームを走った。車内のどこかに四人の姿があるはずだ。早く教えなければ・・・その電車は違う!!早く降りて!・・・と。一両、二両、三両・・・おかしい。もう少し進んでみる。・・・が、四人の姿は見えない。戻ってみてもやはり見つからない。もう一度進んでみる。・・・が、四人の姿は私の目にまったく入らない。気がついてホームに降りた気配もない。
 出発のベルがホームに鳴り響く!!
「時子ー!」 私は叫ぶ。走る。
「時子ー!」 私は叫ぶ。走る。
「時子ー!」 電車の扉は、私の声を遮るかのように目の前で閉じた。
「時子ーー!!」 私は叫ぶ!!
 ・・・他の仲間達がようやくホームにたどり着いた。
「あれ??あとの四人はどこにいった??」
 姿の見えない四人に、仲間達はあたりを見回した。・・・言葉もなく呆然と立ち尽くす私の足元には、主を送り出した線路だけが静かに残っていた。

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コメント

電車、行っちゃったんですね・・・・

どーなっちゃうのかしら???(ドキドキ)

ふふふ・・・続きは明日から・・・

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