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2006年6月 3日 (土)

ヨーロッパの旅・10

「ミスターニシカワ・プリーズ」
「ミスターニシカワ・プリーズ」
 時子は受話器に向かって繰り返した。何度も繰り返した。添乗員に何とかつながって欲しい。ただそれだけだった。・・・彼の部屋番号は覚えていない。
 しかし、時子の問いかけにホテルマンは冷たかった。
「何ていってるの??」
 加藤は時子の顔を見た。
「・・・そんな人はこのホテルに泊まってないって・・・」
 そんなはずはない。ホテルの電話番号は間違えていない。・・・しかし何度問いかけても、ホテルマンの答えは同じだった。仕方なくその場は受話器をおいた。
 どうして通じないのか。発音が違うのか。・・・そうなのかもしれないと気付いた四人は再び悩んだ。初めからやりなおしである。坂本はうつむいたままだ。
「なんとかしなきゃ・・・」
 また焦りが大きくなる。四人はなすすべもみつからず、途方にくれていた。

「ドカ・・・シマシタカ・・・?」
 どのぐらいたっただろう。四人の後ろから、聞き慣れない口調の日本語が聞こえた。振り向くとそこには、日本人離れした顔立ちの青年がひとり、四人を見つめて立っていた。
「ドカ・・・シマシタカ・・・?」
 もう一度彼は言った。・・・四人は、閉ざされた気持ちの扉が一つ開いたような気がした。彼は、日本語を勉強している学生だという。本当か嘘か・・?疑っている暇はない。時子はとりあえず状況を説明した。
 彼は状況を把握し、電車を調べてくれた。フィレンツェに向かう電車はまだあるというのだ。次の駅まで行ってそれに乗れば大丈夫だと教えてくれた。
「天の助けだ・・・よかった~~」
 四人の顔は明るくなった。後はホテルに連絡がつけば一安心だ。
 ・・・彼は動いた!!代わりにホテルへ電話もかけてくれるというのだ。フロントから仲間の誰かに・・・添乗員につないでくれるよう頼んだ。
 彼はにっこり笑った。 

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コメント

ドキドキなストーリーやなあ。
その親切な外国人がとても男前だったら・・・ラブストーリーになったりしてさ・・・

男前だったかどうだったか・・・?そこまで聞きませんでした
彼女達にはそれどころじゃなかったでしょうね(^^;

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