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2006年6月 7日 (水)

ヨーロッパの旅・12

 時子達は電車に乗った。もう後はフィレンツェに着くのを待つだけだ。駅まで迎えに来てくれるならその後も心配ない。時子は焦りが消え、やっと冷静に物事が見えてきた。この数時間の出来事が思い出される。・・・車掌のいった言葉を思い出した。
「そうだ!・・・」
 時子は自己嫌悪におちた。あの時の車掌の言葉はちゃんと頭に入っていたのだ。車掌は「次の駅」といったのではなく、「次の次の駅で降りると本来の電車に乗れるよ」といったのだ。確かにそういっていたのだ。次の駅にフィレンツェ行きの電車は停まらないから、その次に行けと・・・時子は自己嫌悪のどん底におちた。
「あぁ・・・あそこで私が冷静になっていれば・・・」
 後悔ばかりが頭を支配する。他の三人はゆっくりと休んでいる。安心したのだろう。外は真っ暗だ。四人を乗せた電車は、暗闇の中をフィレンツェに向かってひたすら走っていった。

 私は天井を見ていた。テレビも消し、ベッドに寝転んで天井を見ていた。私達がここに戻ってから、すでに4時間以上過ぎている。もう11時半だ。
 と、ドアの外で話し声がした。添乗員と、聞き慣れた高い声・・・時子の声だ!!
 ドアがノックされる。私は飛び起きてドアを開けた。
「・・・お帰り!」
 申し訳なさそうに身を縮めて立つ時子に、私は腕を広げた。・・・他に言葉は無かった。
「ただいま~~・・・」
 時子はヨロヨロと部屋に入り、私の腕の中へ入ってきた。
 そして私達は深い眠りについた。・・・長ーい長ーい一日が終わった。

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